【母性看護学】「実習レポート、行動計画の書き方」「参考書6選」などをご紹介!

看護学生

今回ご紹介するのは「母性看護学」についてです。

母性の実習で大切なことや、よくある辛さ、実習中に聞かれることのポイント、事前学習のコツや行動計画の立て方、さらには学びレポートの書き方まで――。

現役看護師が、学生時代のリアルな経験をもとにまとめました!

これから母性の実習を控えている方や、ちょっと不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

こちらも是非
学習材料が少なく実習レポートも書きにくい今に、是非私の記憶、記録が役に立てばと思い、学生に向けた実習記録やまとめ、目標例などをnoteにて紹介しています。

気になった方は是非見ていってください!

目次

 

母性看護とは?

看護実習には、老年期の患者を対象にする老年看護学実習や、精神疾患を持つ患者を対象とする精神看護学など様々なカテゴリがありますよね。

その中でも母性看護学実習は、周産期(妊娠・分娩・産褥期)にある女性や新生児、母子を取りまく家族への看護実践を目的とした実習となります。

母性看護学の実習内容は?

実習の内容は学校によって多少異なる場合がありますが、基本的には産婦人科外来での妊娠期の看護、

産科病棟での分娩期・産褥期・新生児期の看護を学ぶことが中心になります。

場合によっては、小児科外来で実習を行うこともあるかもしれません。

実習の中で行う、対象の患者さんの情報収集・アセスメント・看護計画の立案といった「看護過程の展開」は、

他の実習と基本的には同じです。

ただし、対象が妊産婦や新生児であるという点を意識しながら取り組むことがとても大切です。

このあとのパートでは、母性看護学実習で大切なポイントや心構えについて詳しく紹介しています。

実習前に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

母性実習で大切なことは?

妊娠期の看護で大切なこと

妊娠は、女性の体に起こる自然な生理的変化であり、生命の誕生につながる大切なプロセスです。

とはいえ、妊娠・出産を経験する中で、女性の身体や心、そして生活環境にはさまざまな変化が生じます。

そのため、不安や戸惑いを感じる方も少なくありません。

こうした時期に、助産師や看護師など医療者の関わりがとても大切になります。

妊娠中の女性がどんなことに不安を感じているのかを丁寧に聴き取り、共感しながら寄り添う姿勢が求められます。

特に初めて出産を迎える初産婦さんは、経産婦さんと比べて不安や疑問を抱きやすい傾向があります。

必要な情報を分かりやすく伝えるだけでなく、母親としての気持ちに寄り添った優しい声かけを心がけましょう。

分娩期の看護で大切なこと

出産が前向きな経験として心に残るように関わることは、看護師にとってとても大切な役割です。

出産の体験が、本人のイメージと大きく異なっていた場合、出産そのものを否定的に捉えてしまい、

自尊感情が傷ついたり、時には精神的な不調を引き起こすこともあります。

そのため、看護師は出産をポジティブに受け止められるよう、母親に寄り添った関わりが求められます。たとえば、

  • 不安な気持ちに寄り添いながら、やさしく励ます・慰める言葉をかけること
  • 頻繁に訪室し、不安を感じている母親を一人にしないようにすること
  • 母親のプライドや自尊心を傷つけないよう、言葉や態度に配慮すること
  • 安心して過ごせるような、あたたかい雰囲気づくりをすること

などが具体的なポイントになります。

また、出産に対する正しい知識を伝えることで、母親が自分の出産を「自分ごと」として主体的に受けとめられるようになることも大切です。

看護師は、そのサポートを通して、母親の前向きな気持ちを引き出す存在であることを意識しましょう。

産褥期の看護で大切なこと

まずは、産後の母体(褥婦)の健康状態を日々アセスメントし、その状態に応じたケアを提供することで、合併症の予防に努めることが基本となります。

また、産褥期における「早期離床」と「教育的なケア」も重要な看護のポイントです。

早期離床を促すことで血液の循環が良くなり、悪露の排出がスムーズになるなど、身体全体の回復を助ける効果があります。

さらに、退院後の生活を見据えて、正しい授乳の仕方や赤ちゃんとの関わり方をしっかりと身につけられるよう、

褥婦に対する教育的支援を行うことも大切です。

母親が「家に帰ってからも困らない」と感じられるように、自信をもって育児ができるようサポートすることが看護師の役割です。

新生児への看護で大切なこと

新生児は、出生後に母体の中とはまったく異なる環境へと移行し、自らの力でその環境に適応していく必要があります。

しかし、すべての新生児がスムーズに適応できるとは限らず、うまく適応できない場合には、医療的・看護的なケアが必要となることもあります。

出産前や分娩中にリスクがあると予測されていた場合は、あらかじめ対応が可能ですが、

一見正常に経過していた新生児にも、急に異常が現れるケースがあるため、注意が必要です。

そのため、新生児の「正常な経過」をしっかり把握しておき、日々の観察の中で異常の兆候を見逃さずに

アセスメントすることが、看護師としてとても大切な役割となります。

母性実習って辛いの?

正直、私は実習そのものが苦手だったので、どの分野もそれなりに大変でした…(笑)。

特に母性看護学の中でも「産褥期」は、新生児の記録も含めて記載内容が一気に増えるので、かなりハードに感じました。

さらに、産科では看護師だけでなく助産師の指導を受けることも多く、専門的な知識を求められたり、

指導が厳しく感じたりして、精神的にもきつかった場面がありました。

でもその一方で、出産したばかりの新生児を初めて見たときの感動や、褥婦さんに教育的ケアを行った後に

「ありがとう」と笑顔で言っていただけたときの喜びは、今でも忘れられません。

将来、母性分野に進まない方にとっても、実習中に出産の場面に立ち会えるのは一生に一度かもしれません。

だからこそ、辛いことばかりに目を向けず、「今しかできない貴重な経験」として、前向きに取り組めると良いなと思います。

母性実習で聞かれることは?

妊娠期・分娩期・産褥期、そして新生児の正常な経過については、実習中に高確率で質問されます!

正常な経過をきちんと理解していないと、異常のサインに気づくことができません。

特にこの部分は基礎知識としてとても重要なので、事前にしっかりと学習しておきましょう。

また、分娩期には「第1期〜第4期」までの段階があり、それぞれで必要な看護や関わり方が異なります。

これらの違いや、それぞれの分娩期における母親の状態、看護師の対応についても聞かれることがあるので、段階ごとに整理しておくのがおすすめです。

この他にも、実習前にやっとくべき事前学習についてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!

母性看護実習の事前学習や行動計画の書き方

やっておくべき事前学習

  • 周産期(妊娠期・分娩期・産褥期)と新生児の正常な経過や基本的な用語・定義の意味
  • 妊婦健康診査の内容と目的
  • 妊婦の心身の変化
  • 胎児の成長・発育の検査法
  • 胎児機能検査
  • 妊娠期のマイナートラブルについて
  • 分娩各期の看護について
  • ビショップスコア/アプガースコア
  • 出産後の新生児の処置方法や清潔ケアの方法
  • 褥婦の進行的・退行的変化についての知識とケア方法
  • 褥婦や新生児のバイタルサインの基準値
  • 新生児の生理的変化
  • 母児関係促進のための看護
  • 妊娠高血圧症候群について
  • 帝王切開について

さらっと書きましたが、覚えることは本当にたくさんありますよね(笑)

でも、上で挙げた内容は実習中によく質問されるポイントなので、しっかり押さえておくと安心です。

「事前学習が多くて気が重い…」と思うかもしれませんが、やっておくことで実習中の自信につながりますし、国家試験対策にも直結するので、コツコツ進めていきましょう!

また、出生直後の新生児への処置や沐浴などの技術は、実習室で赤ちゃんの模型を使って練習しておくのがおすすめです。

学校によっては「沐浴技術の合格」が実習参加の条件になっているところもあるので、早めに練習して自信をつけておきましょうね。

行動計画の例

  • 妊婦が良好な経過を辿っているか、観察・アセスメントができる。
  • 各分娩期に応じた看護が実践できる。
  • 褥婦が正常な経過を辿っているか、観察・アセスメントができる。
  • 新生児の全身状態の観察を、保温に留意しながら行うことができる。
  • 新生児の沐浴を、保温に留意しながら行うことができる。
  • 褥婦が適切なラッチオンができるよう指導できる。

私はこういった目標を、実習中にたててました。

ぜひ参考にして、自分なりの行動計画を立ててくださいね!

母性看護実習の学びレポートの書き方は?

どうやって書いてる?

母性看護学実習では、妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期といったそれぞれの時期について、学びをまとめていく必要があります。

また、実習の際には学校ごとに用意された「評価表」があると思いますが、あの項目って、

実は「学校がその実習で学んでほしいこと」がギュッと詰まってるんですよね。

だから私は、その評価表の項目をしっかりチェックして、それに沿った学びを記録に盛り込むように意識していました!

そうすることで、「ちゃんと意識して実習に取り組んでましたよ〜」ってアピールもできますし、実際に自分の振り返りにもすごく役立ちました◎

特に実習後にレポートを書くときや、口頭で振り返りを求められたときなど、評価表をもとに振り返ると整理しやすく、話にも一貫性が出ます。

評価表=提出物のためのチェックリスト、というよりは、「自分の学びの地図」として活用すると、実習がグッと前向きに進めやすくなりますよ!

当時の学びレポート全文紹介

母性看護実習を元に学んだことのレポート「約1,600字」です。

内容としては、下記2項目についてまとめた学びレポートです。

  • 妊産褥婦・新生児と家族に対する援助で学んだこと
  • 今後の課題

看護実習のレポートって、本当に大変ですよね。

「何から書けばいいのかわからない…」
「時間が足りなくて、毎日寝不足…」

ネットで検索すれば、書き方や例文は出てくるけど、実際には“それだけじゃ書けない”というのが本音ではないでしょうか。

私もまさにそうでした。

だから今回は、私が実習中に実際に書いたレポートの内容を、ほぼそのままお見せします。

必要に応じて、今の実習内容に合わせて少しアレンジしながら使ってもらえれば、ぐっとレポート作成がラクになるはずです。

もちろん、自分の言葉で書くのが一番大切です。ただ、限界まで頑張って体調を崩してしまっては元も子もありません。

実際、私の同級生の中にも、徹夜続きで体調を崩し、やむを得ず看護の道を諦めた人がいました。

だからこそ、自分を追い込みすぎず、少し“うまくやる”ことも大事だと思っています。

「今ちょっともう無理かも…」
「時間が足りなすぎて、課題に追いつけない…」

そんな風に感じている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。きっと、少しだけでも心がラクになるはずです。

母性看護学のおすすめ参考書6選

母性看護実習クイックノート (プチナース)


言わずと知れたプチナースさんのクイックノート。

持ち運びしやすいポケットサイズながら、その情報量はたっぷり。

バイタルサインの基準値や、周産各期の正常な経過など、看護師に報告する際のアセスメントの根拠となる情報がしっかりと載っています。

もちろん自作のポケットサイズのノートに書いておくのも一つの手ですが、面倒くさいですよね(笑)

買い求めやすい価格ですし、母性看護学実習に臨むにあたって、持っていて損はないでしょう。

母性・小児看護ぜんぶガイド 第2版 (プチナース)


こちらもプチナースから出ている一冊。

私も学生時代、この本を愛用していました。クラスでこの本を持ってる人も多かったですね。

実習に必要な知識がグラフやイラストなどで分かりやすくまとめられており、まるで事前学習の見本かのような作りになっています。

アセスメントする時に役立つ内容から看護技術までがてんこ盛りで、本当に買ってよかったなと思える一冊でした。

また、母性だけでなく小児の実習でも使えるため、ぜひ購入をオススメします。

母性 看護過程: 経過・ウェルネスの視点でみる (プチナースBOOKS)


またまたこちらもプチナースさんから出ている一冊。

特に実習で受け持つことが多い正常分娩の事例について、よくあるマイナートラブルも盛り込みながら、初産婦、経産婦、妊娠性貧血などバリエーション多く、3事例取り上げられており、とっても使えます!

異常編では、意外と受け持つことも多い帝王切開例も含め、国試によく出るものを取り上げられており、苦手な人もいる母性看護過程をこの1冊でサポートします!

病気がみえる vol.10 産科 第4版


みんな大好き「病気がみえる」の産科バージョン。

オールカラー・たくさんのイラストだけでなく、どの参考書よりも分かりやすく、詳しい解説が載っていると思います。

授業プリントに「この病気がみえる」から引用している先生も多いのではないでしょうか。

それほど分かりやすいと思います。

おススメの一冊ではありますが、将来母性の領域に進まない人が買うのにはもったいない気もします(笑)

助産師などの免許をとり、将来母性の道に進もうと思っている方や、母性の道に進まずともしっかりと勉強したいと思っている方はぜひ購入を検討しても良いかもしれませんね。

根拠がわかる母性看護過程: 事例で学ぶウェルネス志向型ケア計画


この本は、母性看護学実習の周産各期で学生がよく受け持つ事例(正常分娩・帝王切開事例など)を取り上げ、

ウェルネスの視点からアセスメント・看護計画の立案・評価などの看護過程の一連を、根拠を踏まえて解説してあります。

私は一からアセスメントや関連図を書くのが苦手で、参考書などで書いてあるアセスメントなどの内容を参考にしながら記録を書いていました。

この本はアセスメントや関連図の例なども載っているため、実習で困ったときの心強い一冊になるでしょう。

看護師・看護学生のためのなぜ?どうして?2020-2021 8 女性生殖器/母性看護学


こちら「なぜ?どうして?」シリーズも多くの看護学生の愛読書なのではないのでしょうか。

看護のことなら何でも知っているネコナースと看護学生が主人公が織りなす会話形式の分かりやすい参考書で、初学者や勉強が苦手な人にもピッタリです。

主なテーマとして「妊産婦の症状と看護」を取り上げ、周辺知識として月経のしくみや正常妊娠の経過、産褥期のケア、更年期障害などをイラスト豊富に解説しています。

実習に臨む前の前知識としてだけでなく、国試にも役立つ一冊です。

まとめ

今回は、母性看護学についてご紹介してきましたが、どうだったでしょうか?

参考になれば幸いです♪