【小児】「アセスメントの書き方」「行動計画目標例」「参考書10選」をご紹介!

看護学生

「成人実習よりも小児実習のほうが怖い…」

そんな不安を感じている方、多いのではないでしょうか。

私も小児実習では、最初うまく関われず、泣きたいほど落ち込みました…。

関わり方だけでなく、アセスメントなど記録の書き方で一番悩んだのがこの小児実習です。

そこでこの記事では、私の実体験をもとに「小児実習に向けた行動目標の例」や「アセスメントの書き方」「おすすめの事前学習・参考書」をまとめてご紹介します!

「何を準備したらいいの?」「行動計画がうまく立てられない…」と不安な方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

こちらも是非
「正直、実習こわいかも…」「なに書けばいいか分からない…」そんな気持ちになること、ありますよね。同じように悩む看護学生に、ぜひ私の記憶、記録が役に立てばと思い、学生に向けた実習記録やまとめ、目標例などをnoteにて紹介しています。

気になった方は是非見ていってください!

目次

 

小児実習とは

小児実習とは、その名の通り、小児(新生児~思春期)を対象とします。

この領域では特に、「成長発達段階」を意識して、それぞれの特徴をおさえておく必要があります。

実習前には、「発達の特徴」と、成長発達段階や病状別にコミュニケーションや遊びなどの「ケアのポイント」をしっかりとおさえておきましょう。

また、成人の方は自分の症状などを伝えることができますが、小児はそうはいきません。

例えば赤ちゃんは泣くことはできますが、自分の症状を伝えることができませんよね。

そこで看護師は、様々な情報をアセスメントし、小児が何を訴えているのか考える必要があります。

“見る・聴く・感じる”力が何より求められるんです。

そして、小児看護学での看護の対象は、「子どもと家族」であり、ご家族との信頼関係づくりも大切です。

子どもだけでなく、ご家族の思いや負担にも目を向けることで、みえてくるものがあります。

緊張することもあると思いますが、積極的に関わりましょう。

 

小児実習の行動計画目標

どの実習でも毎日必要となるのが、日々の行動計画ですよね。

アセスメントなどの看護過程に比べると文量自体は少ないんですが、私はこの行動計画が大っっっ嫌いでした(笑)

その日の振り返りはすぐに書き終えることができてたんですが、

「明日の行動計画目標は何にしよう、、、」「明日も今日と同じ目標にしたいな、、、」なんて心の中では思っていました(笑)

同学年の子でも同じように悩んでいる学生が多かったので、

この記事を見てくださっている方の中にも「うんうん」と頷いている方がいらっしゃるかもしれませんね(笑)

そこで今回は私が小児実習で実際に書いた行動計画目標をいくつかご紹介します。

学校によって書き方は変わると思いますが、一つの例として、参考までにご覧ください。

  • 病棟オリエンテーションを受け、患児がより良い援助を受けられるように、病棟の特徴や安全対策、物品の配置などを把握することができる。
  • 患児に必要な日常生活援助やコミュニケーション方法を知るために、情報収集ができる。
  • 患児の特徴に合わせた安全な食事介助の方法を見学することができる。
  • 患児の信頼感を得られるようなコミュニケーションをとることができる。
  • 患児が歩行中ふらついて転倒しないように、患児に合わせた声掛けや見守りができる。

こういった内容を行動計画の目標にして、方法・留意点を書いていました。

受け持った患児の状態や、実習担当の教員によって書き方も多少変わると思いますが、もし小児実習の行動計画目標で悩んでいる方がいれば、ぜひ参考にしてください!

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アセスメントの書き方

小児のアセスメントは機会も少ないので、他の実習に比べ、「どう」書けばいいのか迷う方は多いです。

なので、簡単な事例を交えてご紹介していきます。

例えば身体的な成長発達のアセスメントとして

  • 年齢・性別:9歳0ヶ月、女児
  • 出生時情報:出生時体重 2200g(37週0日)・仮死状態で出生
  • 現在の身体データ:体重10.6kg、身長100cm
  • 成長分類:大島分類11
  • 栄養評価指標:ローレル指数 106(痩せ気味
  • 疾患背景:18トリソミー(染色体異常)あり

という情報があるときのアセスメントの例としては、、、

患児は9歳0ヶ月の女児であり、現在の身長100cm、体重10.6kgは、同年齢の標準値(身長:約133cm、体重:約22.9kg)と比べて大きく下回っており、身体的な成長発達の遅れがみられる。

また、ローレル指数106は「痩せ気味」の範囲に該当し、栄養状態にも注意が必要である。

出生歴としては37週0日での早産および低出生体重(2200g)、さらに仮死状態での出生があり、周産期の影響が現在の成長発達に影響を及ぼしている可能性が高い。

加えて、大島分類1に該当し、染色体異常(18トリソミー)が基礎疾患としてあることからも、成長・発達の全体像を多面的に評価しながら、発育や生活支援を行う必要があると考える。

 

また、家族についてのアセスメントの例として

  • 家族構成:両親+兄弟の5人家族
  • 主介護者:母親
  • 母親の訴え:「ずっと介護しているのが辛い。他の兄弟の面倒もみなくちゃいけないのに。」
  • レスパイト利用:月に1度
  • 在宅ケアの内容:母親が人工呼吸管理・胃瘻管理・清潔ケアなどを実施

といった情報がある場合、、、

患児の主介護者は母親であり、人工呼吸や胃瘻、清潔保持といった全介助が必要な医療的ケアを在宅で担っている。その一方で、他の兄弟の育児も並行して行っており、家庭内での役割負担が非常に大きい状況である。

母親からは「介護が辛い」「他の兄弟の面倒も見なければならない」という訴えがあり、精神的・身体的な負担の蓄積がうかがえる。レスパイトケアは月1回と利用頻度は少なく、現在の支援体制では十分とは言い難い。

このような背景から、介護者役割緊張リスク状態が高く、母親が孤立しないためのサポート体制の強化が求められる。

具体的には、レスパイトや訪問看護の利用頻度の見直し、相談支援体制の確保、さらに母親が気持ちを言葉にできるような「安心して話せる環境づくり」が今後の課題である。

といったアセスメントができます。

人によってアセスメントの書き方は異なりますが、こういった内容を書けばいいのではないかと思います。

また下のnoteでアセスメントとレポート全文もご紹介していますので、気になる方は是非!

実習中は少しでも寝られるようにお祈りしております、、、

小児の情報を元に書いたアセスメント全文「約3,500字」

小児実習レポートまとめ全文「約800字」

小児実習で事前にやっておくと良いこと

私が実際に実習に行ってみて、やっておいて良かったこと、やっておくべきだったと後悔していることをご紹介します。

今後小児実習に行く際の参考にしてください。

技術練習

これは言わずもがなですね。

実習に行って「やり方が分かりません」なんて言うと、「練習してこなかったの!?」ともちろん言われてしまいますからね(笑)

特に練習しておくと安心なのは

  • 食事介助、口腔ケア
  • 清拭、寝衣交換、陰部洗浄などの清潔ケア
  • おむつ交換などの排泄ケア

などでしょうか。

あとは行く病棟によって多い疾患、必要な看護技術が異なるので(気管支喘息が多い病棟では吸入など)、事前に調べておくと良いでしょう。

また、学校には小児看護技術練習のための人形があると思いますが、乳児用、幼児用どちらのものでも練習しておきましょう。

そして小児実習で特に大事なのが、安全に配慮した環境整備。

これは学校で事前に練習できるものではないですよね。

小さい子どもは大人と違い、自分で危険を把握することができないので、安全に過ごせるよう看護師がしっかりと環境整備する必要があります。

実習初日に患児の元に行く際は、普段どのように環境整備されているか、安全対策はどうやっているのかをよく観察しておきましょう。

病棟に多い疾患の予習

実習先の病院・病棟によって、多い疾患は異なります。

例えば気管支喘息、ネフローゼ症候群、手足口病、18トリソミーなど、出会う疾患は様々です。

どんな疾患が多いのかは、実習先のHPを見たり、実習担当の教員や、先にその病棟にいったグループの友達に聞いておくといいでしょう。

図書館で参考書のコピーをとっておいたり、自分なりにまとめておくことで、実習中の睡眠時間がぐっと変わりますよ。

特に今は小児に多い疾患についてまとめた参考書がたくさんあると思うので、ぜひ自分に合ったものを探してみてください。この記事でも紹介しています!

ちなみに友達からどんな疾患が多いか聞くときは、実習病棟にクセのある看護師がいるかも聞いておくことで、心構えができます(笑)

小児の成長発達のまとめ

看護師国家試験には小児の成長発達の問題が、必修・一般問わず多く出題されます。

例えば「寝返りうてるのは生後何か月?」みたいな問題ですね。

こと細かに分類されてるので結構覚えることが多くて、国試前は同級生とともに苦戦してました(笑)

そこで私がやってみて良かったのが、小児の成長発達を年齢ごとに表にまとめることです!

表にまとめることで、何歳で何が出来るのかが一目見て分かり、覚えやすいです。

実習前にまとめておくことで、小児実習で受け持った患児は年齢に沿った成長発達を遂げているのかどうか、アセスメントの視点にもなります。

実習だけでなく、国試にも役立つこと間違いなしなので、ぜひ皆さんもやってみて下さい!

小児実習におすすめの参考書

では、小児実習にあたり、おすすめの参考書をご紹介させていただきます。

小児実習について知る編

まずは小児実習において重要なことや、小児の基礎知識を知っておくことが大切です。

母性・小児看護ぜんぶガイド 第3版

  • 母性実習、小児実習に必要な知識がぎゅっとまとまった一冊
  • アセスメント項目やよくある疾患、おさえておくべき看護技術まで網羅されていて、実習に役立てる
  • 豊富なイラストや図、オールカラーで見やすい

私も小児・母性実習で実際に使っていたのがこの母性・小児看護ぜんぶガイド!

実習前に必要な知識がグラフやイラストなどで一目瞭然にまとまっているのでとても分かりやすく、買った甲斐があったな~と思える一冊でした。

アセスメントにも使える情報が満載なので、小児実習でどの参考書にするか悩んでいる方にはぜひおすすめの一冊です。

国試にも活かせる知識が盛り沢山なのも、嬉しいポイントですね。

小児看護実習クイックノート

  • 発達段階に対応した観察、アセスメントに必要な基礎知識が掲載
  • ポケットサイズなので、実習中ナース服に入れていつでも確認できる
  • 小児実習でよく出会う症状、疾患やケアのポイントまでしっかり網羅

私は実習中、この本を常にポケットに忍ばせていました。この本の安心感たるや…(笑)

小児は乳児期、幼児期、学童期、思春期に応じて、バイタルサインの基準値なども変わり、覚えるのもなかなか大変なので、

すぐに確認できるのは心強いものです。

冒頭で触れた通り、小児実習では発達段階を踏まえた看護が大切になりますが、そういった内容もしっかりと記載されているので、おすすめです。

1000円程度と、お買い求めやすい価格なのも良いですよね!

看護師・看護学生のためのなぜ?どうして?2020-2021 7 老年看護学/小児看護学

  • 看護学生がなぜ?どうして?と思うような事柄をネコナースが詳しく解説
  • 持ち運びやすいサイズなので、いつでもどこでも読める
  • 国試にも役立つ知識が身につく

何を勉強するにもですが、見てただ覚えるだけでなく、しっかりと理解したうえで覚えることで、知識がしっかりと身につきますよね。

こちらの「なぜ?どうして?」は、解説がとーっても分かりやすいので、しっかりと理解したうえで知識を身につけることができます。

参考書というと長くかたい文章ばかりでつまらない…と思う方も多いかもしれませんが、平たく分かりやすく解説してあり、

文量も多すぎず少なすぎずでサラッと読み進めることができます。

疾患~看護ケア編

どんな疾患か、どんな看護ケアが必要かといった知識は、実習で必須となりますよね。

そういった知識を深めるためにおすすめなのがこちらです。

病気がみえる vol.15 小児科 第1版

  • 小児の正常な成長・発達から主要な疾患まで、小児科の重要ポイントを網羅
  • 各疾患の好発年齢も、年代ごとのイラストやアイコンでイメージしやすい

看護学生のみならず、医師や看護師もよく見ているのが、こちらの病気がみえるシリーズ。

イラスト・写真・図表・グラフなど多彩なビジュアル資料でわかりやすく、記憶に残るように解説されています!

実習だけでなく、国試や看護師になってからもずっと役立つ、小児科テキストの決定版ですね!

病期・発達段階の視点でみる 小児 看護過程

  • 病期や発達段階の視点をもって小児看護が展開できる
  • アセスメント項目と根拠を理解し、子どもと家族の全体像がつかめる
  • 関連図で整理し、根拠に基づいた看護計画の立案、評価までできる

みんな一度は手に取ったことがあるであろう、プチナースの看護過程。

こちらがそのプチナースの看護過程が、小児向けにまとめられたものです。

オールカラーで小児実習・小児看護に必要な知識が分かりやすく記載されているので、アセスメントなど記録で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみるといいでしょう!

エビデンスに基づく小児看護ケア関連図

  • 小児実習で出会うことが多い、ネフローゼ症候群や脳性麻痺など22疾患の検査・診断・治療・看護ケアについて病態関連図を用いてまるごと解説
  • 小児実習で大切なプレパレーションについても解説

この「エビデンスに基づく~関連図」シリーズ、私とっても大好きなんです(笑)

というのも、各疾患ごとの関連図が詳しく書いてあるからです。

看護記録の中には関連図がありますが、この関連図を書くのになかなか時間がかかるんですよね(笑)

一から自分で書こうとすると、とてつもなく時間がかかってしまうので、こういった疾患ごとの関連図を参考に書くことで、記録を素早く終わらせることが出来ます。

小児実習で出会うことの多い疾患ごとの関連図がしっかりと記載されているので、とてもおすすめの一冊です。

発達段階からみた 小児看護過程 第3版: +病態

  • 発達段階別(乳児期、幼児期、学童期、思春期)の特徴と看護ケアのポイントを記載
  • 発達・成長の側面を意識しながら、各期に特徴的な疾患をもった患児に対する看護過程が展開
  • 実習で看護学生が出会う機会の多い疾患、また小児に特徴的な症状についても多く記載

どの学校の図書館にも必ず一冊はあるんじゃないでしょうか。

それぐらい有名で、使いやすい参考書です。

小児で出会うことの多い疾患について記載されているのは上にある「エビデンスに基づく~関連図」と同様なんですが、

記載してある疾患数がとっても多いので、「エビデンスに基づく~関連図」で見つからなかった疾患について探したいときは

こちらの参考書を使うのも良いかもしれません。

また、各疾患ごとに挙がりやすい看護診断ラベルについても記載されているので、実習中とても参考になるのではないでしょうか。

看護技術編

小児看護実習に行く前には、小児看護技術を事前課題の一つとして課せられる学校も多いかと思います。

多くの学校で使われている「医学書院」の教科書には、看護技術について詳しく記載されていません。

そこでおススメなのがこちらの3冊です。

新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス

  • 小児実習で必要な技術が写真で説明
  • スマホ・タブレットなどでも看護技術をWEB視聴できて、より手技をイメージしやすい
  • 実習で役立つ観察方法やコミュニケーション方法、日常生活援助、臨床看護技術まで、わかりやすく学べます。根拠もしっかりと載っているので、指導者さんに「根拠は?」と言われても安心です(笑)

    小児看護 第2版 (パーフェクト臨床実習ガイド)

    • 小児の特徴と根拠をおさえた看護ケアを豊富なイラストや写真で確認できる
    • 56本の動画つき
    • 分かりやすい解説で、活用する現役小児科ナース多数

    新訂版 写真でわかる重症心身障害児(者)のケア アドバンス

    • 重症心身障害児に対する看護技術が写真で分かりやすく記載
    • 看護技術をWEB視聴できて、より手技をイメージしやすい

    行く病棟によっては、重度心身障害児を受け持つこともあるかと思います。

    筋緊張のある患児なども多く、看護技術の留意点も若干異なります。

    そこでおすすめなのがこちらの本です。

    重度心身障害児向けの看護技術を紹介しています。

    こちらの参考書も付属のWeb配信動画があるので、技術のイメージがより掴めると思います。

    おわりに

    子どもが苦手な方や、関わる機会が少なかった方は、小児実習に不安があるかもしれません。私もその一人でした。

    不安な思いがあるなか私が小児実習で受け持たせていただいた患児は、重度心身障害があってコミュニケーションがとりずらく、とても人見知りの強い子でした。

    病棟の看護師や保育士にはとてもいい笑顔を見せているのに、私が近づくと嫌がる素振りがあり、ものすごーくショックでした(笑)

    自分だけに心を開いてくれないことに悲しい気持ちでいっぱいでしたが、どうやったらその患児と

    うまくコミュニケーションがとれるか考え、試行錯誤していくうちに、少しずつ患児との距離感が縮まり、

    「おねえちゃん大好き」と言ってもらえるほど仲良くなれました。

    始めは大変な思いをするかもしれませんが、真摯に向き合っていれば絶対に大丈夫です。

    心配せず小児実習を楽しんでください。