看護学校に入学して初めに習うのは「解剖生理学」。
解剖生理学は看護の基礎であり、必要不可欠の知識です。
しかし解剖生理学の教科書は難しい説明で書いてあるものが多く、苦手意識を持ってしまいがちだからこそ、投げ出してしまう方も多いものです。
この記事を見ている方の中にも、
「解剖生理って、聞くだけでむずかしそう…」
「授業のときはなんとなく聞いてたけど、いざ実習や国試になるとあやふやかも…」
そんな風に感じている方もいるかもしれません。
ですが看護のすべての基礎となる「解剖生理学」は、実は“分かれば楽しくなる”分野なんです。
そこで今回は、解剖生理学とは?といったところから、おすすめの参考書・問題集やネットで話題のWeb玉塾についてもご紹介していきますので、是非参考にしてみてください!
気になった方は是非見ていってください!
それでは解剖生理学についてご説明していきます!
目次
- 解剖生理学とは
- 解剖生理学は国試対策にも有効?
- 看護学生必須のweb玉塾とは?
- キャラと語呂でスッとわかる!?『ゴロー/イラストで学ぶ体のしくみ』
- 当サイトのおすすめ問題集と参考書
- 看護学生のための!解剖生理学を効率よく学ぶ3つのコツ
解剖生理学とは
「解剖生理学って聞いたことあるけどどんなのか分からない…。」
など、中々難しいイメージを持ちがちな解剖生理学ですが
説明するにあたって、初めに「解剖学」と「生理学」に分けて説明していきますね。
まずは「解剖学」。
解剖学という名前自体は教科書などで見た事がある方もいるかもしれませんが
解剖学は神経や臓器、骨格や筋などの形や、どこに位置しているかなど、「からだの構造」を学ぶ科目です。
そして「生理学」は解剖学で学んだ神経や臓器、骨格や筋などが、どのように働いているかといった「からだの働き」を学ぶ科目です。
つまり、「人間のからだがどんなふうにできていて、どう機能しているのか」を学ぶのが解剖生理学です。
例えば、「白血球=免疫の働きを担う細胞」であり、成人では 4000〜9000/μL 程度が正常値です。
といった、白血球の正常時の状態や白血球の「働き」を理解しておくことで
このような基準値と働きを理解しておくと、実際に患者さんの血液データを見たとき
「炎症があるのか?」「免疫低下してないか?」など、状況のアセスメントに役立てることができます。
他にも「肺炎の患者さんに安静が必要なのはなぜ?」「心拍数が上がると、なぜ呼吸も速くなるの?」など
こうした疑問を理解するには、解剖生理の知識が欠かせません。
実際、看護過程のアセスメントや観察の根拠づけには、必ず解剖生理の視点が必要になってきます。
この様な形で、解剖生理学で学んだ知識は、今後学んでいく「疾患の勉強」や「看護技術」の土台になる上に
おそらくほとんどの専門学校や大学で、入学して一番最初に学ぶ科目なんです。
しっかりと解剖生理学を理解しておくことで、今後の勉強にも非常に繋がっていくので、しっかりと抑えておきましょう。
また、看護過程や国試対策、急性期(周手術期)実習が気になる方は、下記の記事も是非!
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解剖生理学は国試対策にも有効?
厳しい看護実習を乗り越えた看護学生にとって、最後の大きな壁となるのが「看護師国家試験」です。
この国家試験の出題科目の中には、入学して最初に学ぶ「解剖生理学」も含まれています。
ただし、国試では「基礎看護学」や「老年看護学」などと比べると、解剖生理の出題数は少なめです。
そのため、優先順位を下げてしまう学生も少なくありません。
しかし解剖生理学こそ、より勉強しておくべきだと私は思います。
からだの構造と働きを知らずして、病気や看護ケアを深く理解することはできないからです。
つまり、解剖生理学こそが看護を学ぶうえでの“出発点”であり、すべての理解のベースになるというわけです。
…とはいえ、解剖生理は範囲も広く、覚えることも多いため、「苦手」「後回しにしたい」と感じるのも無理はありません。
さらに、課題や実習、アルバイトで忙しく、十分に勉強時間が取れないことも、苦手意識の原因になっているかもしれません。
それでも、今のうちにしっかりと基礎を固めておくことは、国試対策、さらには臨床現場に出てからの看護の質にもつながる重要なステップです。
「とりあえず暗記する」のではなく、理解して覚え、必要なときに応用できる力を身につけていきましょう。
知っている?看護師国家試験の作成ベース
実は、国家試験で出題される内容は、厚生労働省が定める出題基準に基づいて作られています。
ですが、その基準に沿った実践的な問題集として、多くの学校で使われているのが医学書院の教材なんです。
「医学書院=国試のベース」と言われることが多いのは、出題傾向やポイントをしっかりおさえた実用性の高さが理由なんですね。
そのため、看護学校でも国試対策として医学書院の教科書を採用しているケースがとても多いようです。
でも正直、教科書って「かたい文章」「文字がぎっしり」で…
私はいつも開いた瞬間、ウトウトしてしまっていました(笑)
そんなときに思ったのが、「教科書だけじゃなく、自分に合った参考書も一緒に使った方が、理解が早いかも!」ということ。
イラストや図が多い参考書を取り入れることで、苦手な分野も少しずつ「わかる」に変わってきて、結果的に国家試験の勉強もスムーズに進められるようになりました。
国試対策=教科書だけ…ではなく、「自分が理解しやすいスタイルで学ぶ」ことが、合格への近道かもしれません♪
看護学生の強い味方!web玉塾とは?
WEB玉塾を知っていますか?
「解剖生理って、どうしても苦手…」
そんな私が、ネットでわかりやすい教材を探していて出会ったのが、WEB玉塾でした。
WEB玉塾とは、元高校教師の“玉先生”がYouTubeで無料配信している、アニメ形式の講義動画シリーズです。
ギャグや例え話を交えながらテンポよく進む授業は、「難しい」と感じていた内容もスッと頭に入ってくる不思議さがありました。
さらに、ただ重要ワードをなぞるだけでなく、
教科書の太字部分にあたる必須知識に加えて、背景知識や補足情報まで丁寧に解説してくれるので、学びの幅も広がります。
イラストやアニメの活用で、文字だらけの教科書よりも断然記憶に残りやすく、私にとってはまさに救世主のような存在でした。
そして待望のWEB玉塾から出版された参考書が『のほほん解剖生理学』です。
この本は、“解剖生理学の超入門書”のような存在で、
カラーのマンガや図解、そして玉先生ならではのギャグを交えながら、
難しそうな解剖生理の世界を、ざっくり・楽しく解説してくれます。
「教科書を開いても専門用語ばかりでちんぷんかんぷん…」
そんな風に感じている学生さんでも、スッと理解しやすい構成になっているのが魅力です。
また、こんな身近なものにたとえたユニークな説明もあって…
- 『僧帽筋はパーカーのフード(のあるあたり)』
- 『卵がいっぱい集まると明太子、細胞が60兆個集まると人間』
などなど、思わずクスッと笑ってしまうような例えや説明が満載で、暗記が苦手な人にもピッタリ。
気づいたら何度もページをめくってしまう、そんな“楽しい参考書”です。
ただし、この本はあくまでざっくりと全体像をつかむための導入書なので、
本格的に理解を深めたい人は、授業や医学書院の教科書と合わせて使うのがおすすめ!
「いきなり教科書はキツい…」という人には、まずはこの1冊から始めてみると、
学習のハードルがぐっと下がりますよ◎
キャラと語呂でスッとわかる!?『ゴロー/イラストで学ぶ体のしくみ』
WEB玉塾の動画や『のほほん解剖生理学』で“楽しく学ぶ”ことの大切さを実感した人には、
もう一つぜひおすすめしたい参考書があります。
それが、SNSでも絶大な人気を誇る「ゴローさん」による
『ゴロー/イラストで学ぶ体のしくみ』です。
この本は、解剖生理学の知識を効率よく学べる、ゴロ合わせをまとめたものです。
苦手意識の強い分野でも、印象に残るゆるキモなキャラクターと語呂で覚えられて、とっても効率的なんです。
そして、覚えたゴロを復習できるミニドリルだけでなく
なんと声優がイケメンボイスで読み上げるゴロ音声付き!
通勤・通学中でも、耳からゴロを覚えることができます。
また、うれしいことにこの『ゴロー』シリーズ、YouTubeでも動画が公開されており
書籍とあわせて使うことで、より理解が深まるようになっています。
当サイトのおすすめ参考書と問題集
今回は、私が使ってとても分かりやすかった、おすすめの参考書と問題集をいくつか紹介したいと思います。
参考書
からだがみえる -人体の構造と機能- 第1版
- 『病気がみえる』シリーズから登場した解剖学・生理学の書籍
- 複雑な構造も、リアルかつポイントをおさえたイラストで解説
- 漫画的表現や模式図を駆使した多彩な表現で、難解な人体の機能(生理学)をわかりやすく解説
【改訂版】疾患とつながる 解剖生理図鑑
- YouTube登録者30万人超え!大人気の解剖生理講座が書籍化
- イラストと短い文章で解剖と疾患のつながりが理解できる
- 楽しくわかりやすく勉強したい向け
ぜんぶわかる人体解剖図―系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説
- 初学者でもわかりやすい説明
- オールカラーかつ、見開き2ページで内容が整理されていて見やすい
- 全身の各器官が、リアルで大きなイラストを中心に説明されており、人体構造を理解しやすい
解剖生理学をおもしろく学ぶ
- 看護師コミュニティサイト「看護roo!」にも提供
- イラストが多用されており、ビジュアル面でも理解が進みやすい
- 先生と看護学生ナスカちゃんの会話形式でやさしく説明
- 多くの人がつまづきやすい疑問も、ナスカちゃんが先生に投げかけているので、苦手意識を持つ人も理解しやすい
解剖生理ポイントブック 第2版
- オールカラーでリアルに描かれた臓器のイラストや、簡潔にまとめられた文章で、重要ポイントが分かりやすく解説
- 解剖生理だけでなく、関連する疾患や症状、検査など、実習時に役立つ関連知識も学べる
- B6判とミニサイズで、持ち運びしやすい
イメカラ
- 持ち運びやすいA5版500gの手軽なサイズとシンプルなデザインで、場所を問わずに気軽に広げることができる
- 高校生物から医学の専門知識まで、順序良くスムーズに解説されており、頭に入ってきやすい
- わかりやすい文章、自由で見やすいイラストで記載
- 各章の最後に理解を試す問題が掲載。解説は一つ一つの選択肢をわかりやすく解説
- 「理解を深める疾患編」として、各臓器の代表的な10~20の疾患が掲載。正常な身体のつくりとはたらきが、どうやって疾患に至るのか理解できる
- 各臓器ごとに分かれている為、自分が特に苦手な臓器の本だけ買うのも良し
看護師・看護学生のためのなぜ?どうして?
- 国試の内容を、豊富なイラストと、誰でも読みやすい会話形式で解説
- 基礎の解剖から、イメージしづらい臓器の働きも、分かりやすいイラストで図示されている
- あれ?なんで?といった疑問について根拠がしっかりと書かれており、暗記しがちな解剖生理を「意味を知って理解できる」
問題集
2025年版『系統看護学講座』準拠 解剖生理学ワークブック
- 国試問題のベースとなる、医学書院の教科書に準拠したワークブック
- 教科書に記載してある文章や図を活用した、用語の穴埋め問題や作図問題が掲載
- 問題ごとに教科書の対応ページが記載されており、教科書と見比べながら取り組める
看護師国家試験 解剖生理学クリアブック 第2版
- 国試問題のベースとなる、医学書院の教科書に沿って作られている
- 国試と同じ形式の問題を解くことで、解剖生理学の知識が身につく
- 解説が丁寧で関連知識とともに覚えることができる
解剖生理ワークブック: 書いて覚える (プチナースBOOKS)
- ぜひ覚えておきたい解剖生理学の知識を、系統別・項目別に収載
- カラーで描かれた見やすいイラスト問題、関連する文章問題を繰り返し解くことで実力UP
- 解答解説は別冊なので、使いやすさ◎
- 分かりやすい解説だけでなく、プラス知識も載っていて知識が増える
看護学生のための!解剖生理学を効率よく学ぶ3つのコツ
「解剖生理学って覚えること多すぎて大変…」
そんな風に思ってる方、いませんか?
ここまで読んでくれたあなたに向けて、効率よく理解&記憶していくための3つのコツをご紹介します!
① 臓器同士の“つながり”を意識してみる!
心臓、肺、腎臓、肝臓…
それぞれの臓器は、単体で動いているわけではなく、お互いに連携しながら働いています。
たとえば、腎臓は心臓の血流によって機能するし、肺が酸素を取り込まなければ全身に酸素が届かない…など。
この「関係性」を意識すると、単なる暗記じゃなく、“しくみ”として理解しやすくなります!
②声に出して覚えるのが意外と効く!
暗記って、ただノートを見てるだけだと頭に入ってこないことも多いですよね。
そんなときは、声に出して覚えるのが◎!
目で見るだけでなく、耳からも入ることで、記憶に残りやすくなります。
ポイントは、「ただ音読する」よりも、「自分の言葉で説明してみる」こと!
人に説明するつもりで声に出すと、より深く理解できますよ!
③ 理解できたら、すぐに問題を解いてアウトプット!
解剖生理学は、アウトプット(問題演習)して初めて知識が定着します!
理解した内容を問題で使ってみることで、「覚えたつもり」が「ちゃんと使える知識」へと変わります。
さらに、間違えたところや曖昧な部分も見えてくるので、次に復習すべきポイントも明確になりますよ!
まとめ
解剖生理学の参考書・問題集について、色々と紹介させていただきましたが、気になる本は見つけられましたか?
解剖生理学は看護の基礎であり、国試だけでなく実習、そして看護学校を卒業して看護師になっても必要とされる、とっても大切なものです。
自分にあったわかりやすい参考書・問題集をみつけて、解剖生理学の知識をしっかりと身につけていきましょう。
ちなみに下記にて色々な看護学のアセスメントや学びレポートをご紹介していますので気になる方は是非!