今回ご紹介するのは、看護学生の集大成ともいえる「統合実習」についてです。
実習の中で大切にしたいポイントや、しんどかったエピソード、実際に聞かれた内容から、事前課題や行動計画、学びレポートの書き方のコツまで、現役ナースが学生時代のリアルな経験をもとにお話ししていきます!
「統合実習ってどんな感じなんだろう?」「何から準備すればいいの?」と不安な方のヒントになれば嬉しいです。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
気になった方は是非見ていってください!
目次
統合実習とは?
統合実習は、実際の臨床現場により近い体制で行われる実習であり、これまでの各領域実習で培ってきた知識・技術・態度を統合し、実践力を養うことを目的としています。
まさに、今までの学びの集大成とも言える実習です。
そのため、統合実習は看護学生の最終学年(4年制なら4年次、専門学校では3年次)に実施されるのが一般的です。
統合実習はどんなことをする?
統合実習では、これまでの実習とは異なり複数の患者を同時に受け持ち、看護を展開していくことになります。
多くの学校では、重症度・ケア度の高い患者と、自立度の高い患者の2名を受け持つケースが一般的です。
今までは1人の患者に集中していればよかったですが、実際の現場では「患者1人だけを担当する」ことはほとんどありません。
そのため、統合実習は、臨床現場で求められる“優先順位の判断力”や“突発的な出来事への対応力”を身につける絶好の機会になります。
私自身、現在急性期病院で看護師として勤務していますが、日々の業務では受け持ち患者が多いだけでなく、検査や手術、急変対応などに追われ、状況判断に常に悩まされます。
そうした現場の中で、何を優先し、どこから手をつけるかを考える優先順位のつけ方は、非常に重要かつ難しいスキルです。
実習中は、教員や現場の指導者に積極的に相談しながら、自分なりの判断に対するフィードバックをもらうことが、成長への近道になります。
さらに、統合実習ではよりリアルな現場を体感するために、夜勤実習や多職種連携(チーム医療)の学びも含まれます。
夜勤実習について
多くの場合、15時頃から22時頃の消灯時間までの時間帯を対象に実施されます。
夜勤帯では、日勤帯と比べて看護師の人数が限られており、基本的にリーダー1名+メンバー2名体制で病棟全体をカバーします。
そのため、夜間の患者安全や業務効率の確保に向けて、どのような工夫をしているのか(巡回の順序、安全管理など)を観察・質問して学ぶことが大切です。
また、患者さんの中には夜間に不穏になるケースや、昼間とは違う表情を見せる方もいます。
そうした変化への対応や、使用される薬剤などを知ることも重要な学びとなります。
チーム医療の学び
医療や看護は、チームの中で成り立つものです。
統合実習では、医師・薬剤師・ソーシャルワーカーなど多職種と連携しながら患者を支えるチーム医療の一員としての看護師の役割を学びます。
特に、チームの中で看護師が果たすべき重要な行動が、いわゆる「報・連・相(報告・連絡・相談)」です。
これは社会人としての基本であり、現場で信頼される看護師になるために欠かせないコミュニケーションスキルです。
統合実習は、今までの学びを現場でどう活かすか、実践力を試す場でもあります。
少しずつ自信をつけながら、“実際に働く自分”のイメージを育てていきましょう。
統合実習の事前課題や行動計画、アセスメントの書き方
事前課題
事前課題については、学校によってどんなことを調べなければいけないのかを提示されているかと思います。
なので、その提示された課題に沿って進めていくと良いでしょう。
私の学校ではざっくり分けると以下の3つについて事前課題が出されました。
- 管理実習・・・病院組織における看護管理について(看護方式や病床管理、安全対策、他部門との連絡・調整など)
- 急変時の対応・・・急変時の対応方法や救急カートの中身(薬品の作用や副作用など)
- 感染予防対策・・・標準予防策の具体的方法や各感染症の内容、対応方法などについて
また患者2人を受け持ち毎日の記録も大変だと思うので、早めに技術を再度復習しておくこともオススメします。
もし「事前課題提出まで間に合わない…」「なに書けばいいか分からない…」
と思っている方がいたら、ぜひこちらも参考にしてみてはいかがでしょうか◎
行動計画
行動計画については今までの実習のように書けば良いでしょう。
実際に私が書いていた行動計画の目標は以下の通りです。
- 病院の管理体制について知ることができる。
- シャドーイングを通して、業務を円滑に進める為のリーダー看護師の役割について知ることができる。
- シャドーイングを通して、医療チーム一員としてのメンバー看護師の役割について知ることができる。
- シャドーイングを通して、突発事項への対応方法について知ることができる。
- 夜間実習を通して、日中とは違う患者の様子を知ることができる。
- 夜間実習を通して、夜勤業務の実際を知ることができる。
- 時間管理を意識しながら、優先順位を考えて看護ケアを進めることができる。
リーダー看護師のシャドーイングにつく日、メンバー看護師のシャドーイングにつく日、夜間実習の日、など日によって体験するものが変わってくる学校が多いと思います。
上に挙げたような内容のものを目標に立てておけば、とりあえずは大丈夫かなと思います。
アセスメントに関しても、今までの基礎看護実習や各領域実習で学んだことを活かして、従来通りに書けば大丈夫です。
私の学校では領域実習まではアセスメントを細かく書くように言われていましたが、統合実習では割とザックリしたアセスメントでも、ポイントを押さえて書けていれば大丈夫でした。
とは言っても、その時の実習担当の教員によってそこは割と左右されるので、教員がどんなタイプか情報収集しておきましょう(笑)
統合実習での質問例
統合実習ではどんな質問をすれば良いのか悩んでいる方も多いかもしれませんね。
私が統合実習を経験して実際に質問していたのは以下の通りです。
- ラウンドの仕方など、優先順位はどのように考えているのか
- 突発事項が起きた時はどのように対処するようにしているのか
- 忙しい業務の中で、どうやって時間管理しているのか
- 認知症や不穏のある患者に対し、どのように安全対策を講じているのか
- チームの一員としてどのようなことを意識して業務を進めているか
- 時間内に業務を遂行する為に、どのように工夫しているか
少ないですがこういった内容のことをシャドーイングにつかせていただいた看護師さんに質問していました。
ただ受け身の姿勢でいるよりも、自ら率先して質問や行動する学生は教員や指導者から好意的に捉えられることが多いので、積極的な姿勢で実習に臨みましょう。
統合実習の学びレポートの書き方は?
どの学校でも、、学生に達成してほしい明確な目標が設定されていますよね?
例えば統合実習で言えば…
- 「看護管理の実際を知り、看護師の役割を知ることができる」
- 「複数の患者を受け持ち、優先順位や時間管理を意識しながら看護が実践できる」
- 「今まで学んだ知識や技術、態度を統合して看護実践力を向上させることができる」
- 「医療チームの一員としての看護師の協働・連携について学ぶことができる」
- 「夜勤実習を通して、入院患者の状況や夜勤業務について学ぶことができる」
- 「これまでの実習や統合実習を振り返り、自己の課題を明らかにするとともに将来の看護師像を描くことができる」
などが目標に挙がっていると思います。
そのため、学びのレポートを書く際には、こうした目標の文言を意識して盛り込むと良いでしょう。
簡単な例としては、
「複数の患者を受け持ちながら、優先順位や時間管理を行うことの難しさを実感した。」
といった表現でもOKです。
さらに、「なぜそう感じたのか」を説明する具体的なエピソードや、実際にその場で働いていた看護師がどのように工夫していたかなども一緒に記述できると、より説得力が増します。
このような書き方を意識することで、評価点も高まり、今後の看護師としての実践にもつながる学びが深まるはずです。
もし「学びレポートなに書けばいいか分からない…」「間に合わない…」
と思っている方がいたら、ぜひこちらも参考にしてみてはいかがでしょうか◎
まとめ
今回は、統合実習についてご紹介してきましたが、どうでしたでしょうか?
参考になれば幸いです♪